無駄なものと思われがちなランドセル背面の「へり」が出ていることは、学習院型ランドセルの条件のひとつ。この外周部分は凸部になるため、側面〜底面の大部分が擦れや衝撃などから守られる効果があります。
また、この部分は芯材と生地が何重にも重なり、分厚くなる箇所でもあります。固く複雑に組み上げられたパーツを縫って、より丈夫な仕立てを実現しするためには、高度な技術を要します。
本体が擦れにくくなるよう、かぶせと呼ばれるフタが、本体をすっぽり包み込むように設計された構造。中の本体が覆われることで、擦れから守られます。学習院型ランドセルの条件のひとつ。
肩ベルトの付け根は、生地を貼り込み丈夫に仕上げました。昔ながらのランドセルよりも面積を広げ、持ち手の付け根を含めて壊れにくくなっています。
取出し口のステッチが本体側に入る「ヘリ玉」仕立て。手間がかかりますが、美しい技の継承としてあえて中マチの工程に残しました。