ランドセルづくりは、様々な工程を一つひとつ手作業で行っています。細かなパーツ自体も日本国内で製造する、「一からの日本製」にこだわりました。その中でも、技術の求められる手縫いによってつくられるのは、工程からの丈夫さ。特に力のかかるベルトの付け根に、太く丈夫な糸を使って手縫いを行っています。職人の手によって革と糸が締め上げられ、とても丈夫に仕立てられます。ランドセルをつくるメーカーは数多くありますが、職人の技術を継承し、より良く改良していくのは、村瀨鞄行ならではのこだわりと言えます。
※動画のように匠シリーズはベルトの付け根に加えて、背当てのへりにまで手縫いを行っています。この箇所は時間を1/20に短縮できるミシンであったり、縫いやすい細い糸を使うことが一般的ですが、あえて時間と手間をかけて、さらなる丈夫さを求め仕立てています。
革のランドセルづくりでは、皮漉き(かわすき)が欠かせない工程となります。革は厚いほど丈夫になりますが、適正でない厚みは不要な重さや、加工できない固さの原因となります。やわらかさや表面の状態が一枚一枚異なる革の状態を手で感じとり、適正な厚みへと微調整する職人の技と経験が活きる工程です。1つのパーツとはいえ、角度を付けたり溝を付けたり、時には3箇所に漉き工程を行いランドセルの部品として仕立てられます。
地面や壁とぶつかりやすく、丈夫さを求められる底面の角は「きざみ」という技法で角に合わせて生地を寄せることで、丈夫に仕立てられます。反対側の背中に当たる部分は「きざみ」がなく、生地がピンと張った美しい状態に。片側により多くのひだが集中するため、高い技術が求められます。