藍染のワニ革を主素材に、牛ヌメ革・アメ豚革等を使用して葛飾北斎の富嶽三十六景をランドセルに描きました。伝統的な手縫いから現代の技術であるレーザーカットまで、幅広い技法を使ってコラージュで表現しています。多様な素材、多様な技法を織り交ぜながら浮世絵を描くことで、様々な価値観が入り混じりながらも調和して形を成している今現在の“浮世”を表しています。今後子供たちが背負うこの複雑な社会が、辛く苦しい“憂き世”ではなく、楽しく元気に暮らせる“浮世”でありますように。
当作品はJAPAN LEATHER AWARD 2022 (日本皮革産業連合会 )において、特選に選ばれました。*非売品となります。
プルシアンブルーと、本藍を組み合わせた表現で知られる富嶽三十六景。ワニ革の深い青色を眺めるうちに、ベルリンの藍=ベロ藍といわれたこの色を思い起こし、富嶽三十六景をランドセルで表現すると面白いのではという発想にいたりました。 版画とは異なる表現方法のため、飛沫や人の描写は大胆に省略したり、波のアウトラインを変更して絵作りをしています。また、裁断にはレーザーカッターを使ったり、グラデーションの箇所にはエアブラシを使うなど、近代的な技法も余すことなく披露して製造しました。